少し前に大変な思いをして os を 10.5 から 10.8 に移行したばかりですが、もう 10.9 が登場しました。しかも無料で。同時に、条件次第では iWork も。OS と iWork の無料配布は、自分たちの数年先までのロードマップに利用者を改めてしっかりと乗せるための布石なのではないでしょうか。この無料化の波に乗ることは、アップルの手のひらにもう一度しっかりと腰をかけることになる。
自分たちの製品を無料化することは、下手をすると自社の商品価値やブランド力を下げかねない。「一度無料にしてしまうと、いざお金を取ろうというとき『前は無料だったのに』と抵抗を受ける」と、ある広告業の人の話しを思い出します。アップルには、そういった危険を冒してでも実現させたいロードマップがあるわけで、またその自信もあるのでしょう。
アップルはここ数年、iOS での市場開拓の流れを Mac にも流用しています。それ以前の iTunes も含め、iOS で成功した App store を主力とした少額のコンテンツ、ソフトウェアをよりたくさん、よりこまめに買わせ、登録デベロッパーからも吸い上げる「薄く広く」な手法が、ハードウェア販売と平行してクラウドも絡めた中核をなしていくことになるでしょう。
甘い水で呼び寄せられた利用者が、今後どのようにしてアップル社の資本になっていくのか、想像するに難しくはありませんが、アップル製品に魅力を感じ使っている以上は、それを承知で巻き上げられるも知らずに巻き上げられるも、どちらであれ結果は変わりませんね。